《姫路おでんの起源》

 おでんに生姜醤油(しょうがじょうゆ)をかけるという、姫路を中心に加古川~相生あたりまでの、ごく限られた地域の食べ方を、2006年6月に姫路の食でまちおこしを考えるグループが「姫路おでん」と命名しました。(地元姫路では一般的な食べ方だったため、それまでは特に名前はありませんでした。)
食べ方の起源については諸説があるのですが、昭和初期に姫路の浜手地域で、甘辛い関東煮(かんとうだき)に生姜醤油をかけて味を調整して食べたのが始まりではないかと言われています。
元々は、関東煮のダシを切って生姜醤油を上からかけていたのですが、その後、関西風の薄味(飲めるダシ)のおでんの登場とともに、刺身のように小皿に入れた生姜醤油につけて食べる方も多くなってきました。

 戦中戦後の食糧難の時代に煮込み過ぎて味が抜けてしまったおでんの味を補うために、生姜醤油をかけるようになったという説(闇市発祥説)がこれまで一番有力でしたが、調べていくと少なくとも昭和10年頃には、生姜醤油をかけていたことが分かってきました。
複数の昭和ひとケタ生まれの方からは屋台のおでん(煮込み田楽)には戦前から甘味噌(田楽味噌)か、生姜醤油をつけて食べていたという証言も頂いています。
姫路の組合長のお話では大正末期の創業当時から白浜(姫路南部)の海の家では生姜醤油の関東煮を提供していたとのことでした。
70年代以上続いている姫路おでんの元祖的お店「かどや食堂」さんでは、創業当初より甘く濃く煮込まれた関東煮(かんとうだき)の上から生姜醤油をかけるスタイルで今も提供されています。
また姫路は西の龍野市(現:たつの市)にかけて古くから現在も醤油の産地です。
白浜が昭和の初め頃生姜の産地だったとされており、
それぞれの地場産業が生活の知恵として、ブレンドするとおいしくなると発見し、
食習慣になったのではないかと現在は考えられています。



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